『正夢』

旅立つときがきた
離れることはできないのだ
未知でも既知でもない
後ろ髪の歯がゆさと
それと思うこころの果て

しわがれ声のあなた
溌溂としたわたし
忘れることはない
いずれでもない

背中に残したものは
灰色
通り越している
誰もとどまることはない

豊かさとはそれなのだ
いつも全部隠れている
片脚ずつ踏み込みながら
味わう

耳を澄ませるのだ
はらむものを見極めるほどに
それがこぼれ落ちるほどに
大切に

やおら