『駆け足』

生命に条件をつけはじめるのは

いつからだろう

前提があって

必要があって

なぜなのだろう

 

いつもとぼけている彼が美しくみえる

朝露にぬれて 黒く光る髪をそのままにして

そこにいる

何かを感じるだけ感じて

そこにいる

 

風のとおる田畑と同じように

彼はそこに立っている

 

僕はそれを眺め 想像しながら

学校へむかうのだ

そして職場へ

劇場へ

わが家へ

墓場へ

 

彼がいっそう

とぼけてみえる

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