『砕粒』

ゆすらうめになびいた言
厚くふかいあか色に
きみは漂う

取り越し苦労にさまよいながら
つぶらな実を数々抱いて
また今朝も
りん、りん、と
あかい実はまぶたを揺らす
少女の日の思い出が駆ける

いたずらに掴んだ理
拠りどころに戻れぬ脚
ふらふらと喜ぶさまと
傘のうえを転がるよう

大きな雲が見下ろしている
素足に食む砂

友の愛が背にかかる
水衣を過ぎるそぞろの風に
あかい実は何を思うか

気づけば腕時計も溶けた
夕陽はきみのゆびまで
あかく染める

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